タイトル「しまをなくしたティガー」【第8話Aパート】
公式あらすじ:「ティガーのしま模様がお風呂の中で消えてしまう。」
新プーのストーリーが何かぶっ飛んでいる と言われている理由の一つがこの話かと思います。
視聴後の評価・見どころ
総合視聴おすすめ度 | 8 |
子供向けおすすめ度 | 6 |
笑える度 | 5 |
感動度 | 5 |
恐怖度 | 4 |
見どころ | |
名言 | |
先に見るべき関連性のあるエピソード | ― |
後に見るべき関連性のあるエピソード | ― |
ネタばれ&つっこみ
森の中で、泥の水たまりに次々飛び込み歩くティガー「ウーフフフ アーヒャヒャヒャ こりゃいいや ウフフフフゥ」
全身泥まみれです
そばの茂みの中から声がします
「いいか…? かかれ!」
急にラビット・プー・ピグレットが出てきて、ティガーの両手両足・尻尾をがっちりホールドします
いーち にーの そーれ ではずみをつけて、振り子状にティガーを投げ飛ばします
泡立った石鹸水の張られた風呂桶めがけて投げ込まれたティガーですが、
ネコ科の動物らしく空中で体をひねり、桶のふちに華麗に着地。「よしてくれよ シャボンには触るのも嫌なんだから」
ティガーとルーはお風呂が嫌いな同志で、お風呂に入れようとするカンガから逃げてきたルーをティガーが匿ってあげるエピソードもあります。
「どろんこの中で跳ね回りたいんだったら、お風呂にもちゃんと入れ!」
と無理やり桶の中にティガーを沈め、3人がかりでブラシでこすり始めると、全力で嫌がるティガー。
乱暴に手桶で水をかけ、一気に泡を洗い落とすラビット
泡の落ちたティガーを見て一同が唖然とします「…おい、あの…」
縞々の無い、オレンジ色のピンク・パンサーのような姿になったティガーがそこにいました。
「なんだよ キレイになりすぎたかな?」
誇らしげに胸を張るティガー
「うーん、それはいいんだよ… だけど… 君、だれ?」
「ティガーさ!一体他の誰に見えるんだ?」
「待ってくれ、ティガーのわけがないだろう だって 縞模様が無いぞ!」
え?と全身を確認するティガー「わぁ!俺の縞々が、どこ行っちまった?!」
桶の泡の中を探していると、プーも近寄ってきて「ティガー 隠れているんだろう?」と泡の中に呼びかけます
縞無しティガーと目が合うと、他人行儀に「やあ 僕プーだよ よろしく」とあいさつします
プーは目の前の縞無しティガーをよそに、ティガーを探し始めます。「俺はティガーじゃないのか? じゃ誰だ?」
「えーっと 耳が二つあってしっぽがあるから、ひょっとしてラビットかな」
オウルとロビン以外はあてはまるガバガバの判定条件です
ラビットも「そうかも?」という微妙な表情をしています
しっかりしろ!ラビットだけは冷静でいてくれないと、ストーリーの収集がつかなくなる。流されるな!
ラビットの全身を触ってチェックすると、「そうだ!縞模様もないしな。俺はラビットかもしれない」とティガーは自己解決。
でもそうすると、ラビットになるにはどうすればいいのかと悩み始める縞無しティガー「ラビット、君は誰よりも長くラビットをやっているんだから教えてあげれば?」
あぁ… うん、 いいだろう… どうしてもっていうんなら… とラビット
このシーンで段々とラビットが生気の無いうつろな表情になっていくのがやばいですが、視聴者側もこのあたりで一度ストーリーの展開に振り落とされそうになります
縞無しティガーを自分の畑に連れてきたラビット
ラビットにとって一番大事なのは「畑」だという
最初のレッスンは、畑のトマトを守ることだ、悪い虫を近づけるんじゃないぞ と殺虫剤の噴霧器を手渡すラビット「わかりました大先輩 自分の野菜だと思ってしっかり守ります」と意気込む縞無しティガー
殺虫剤を銃剣のように構え畑を往復して見回る縞無しティガー、一匹の虫を発見します。
「何者だ!」と銃口を突きつけると、見逃してくれ、とばかりに
おなかの空いたジェスチャーをして泣き落としを仕掛ける虫。
可哀そうに、お腹が空いているのか…よし! とティガーは早速守るべきトマトを自ら与えてしまいます。「ただし、他のラビットには言うなよ」
自分がラビットである自覚が出てきてしまっている、まずい症状ですね
虫は思ったよりもグロい食べ方でトマトをあっという間に平らげます。
そこにラビットがすっ飛んできます。
いいじゃないですかぁ という縞無しティガーに、お前は何もわかってない と詰め寄るラビット、
次の瞬間、既に呼び寄せられた虫の団体がトマトを全て食い荒らしていました。
激怒したラビットは、二度と来るなと縞無しティガーを畑から追い出します。
「やっぱり俺はラビットじゃないんだ…」
森の中で蝶と遊ぶプーを見つけます
このシーン、プーが蝶を追いかけてぴょんぴょん飛び跳ね一人で遊んでいる無邪気でかわいいシーンなんですが、前半で友達一人ごり押しで存在を抹消した人物なのでちょっと近寄りがたい…
「そうだクマかもしれないぞ」
対蜂用の防護マスクをプーに頭から被らされるティガー
前が見えないところを、横切ったイーヨーとぶつかります「悪いなイーヨー 今クマになる修行中なんだ」
「なるほどわかったよ ティガー」 立ち去るイーヨー
あれ、もしかしてイーヨーは一人だけマトモな感じ?!
「プー!あいつ俺をティガーって呼んだぞ?!」
「君はくまだよ 忘れた?」 しぶしぶ納得するティガー
外部と遮断してターゲットの正常な思考を奪う洗脳ってこわいですよね…
プーに指示されたはちみつ取りに失敗し、やはりくまはごめんだという縞無しティガーに対し、
「大丈夫、君を見つけてあげるよ」とプー
ピグレットの家にて、
クリスマスツリーのモミの木代わりにされ、装飾をつけられた縞無しティガー。
おれはクリスマスツリーなのか?ともうわけがわからなくなっていますが「だってほら、君はピグレットになるには大きすぎるよ。みんなが小さくても困るしね」
「やってられるか、ツリーなんかになりたくないぜ」
こんな時ティガーがいてくれれば何か思いつくのにね というプーに
「おい、俺がティガーじゃないか?」と縞無しティガーが食い下がると「違うよ ティガーは一人しかいないんだ それに縞模様があるし」
「世界一の虎は俺一人 おーれひとり♪」ティガーがいつも高らかに歌っている通りですが、まさかそれが裏目に出るとは
「だったら縞模様を書いてあげたらどうかな」というピグレットの提案に、
筆で全身に縞模様を描くと、縞無しティガーも気に入ったようです。
やっぱり俺がティガーかも、と自信を取り戻しかけ、「俺がティガーだ!ティガーだぞ!」とウキウキで家の外に飛び出します。
次の瞬間雷雨が降り始め、濡れた捨て猫のようになった縞無しティガーが速攻で帰ってきます。
描いた縞は雨で流れ落ちてしまい、「やっぱり違うんだ…」と縞無しティガーは肩を落として帰っていきます。
暗い帰り道、森の中をとぼとぼと歩いている縞無しティガー。「俺はティガーじゃない、ラビットじゃないし、くまでもない。ピグレットなわけないし、俺は何でもない…」
「なんでもなかったら一体何なんだ。ただのぬいぐるみか?名前もありゃしない」
自己否定を飛び越えて、急にメタっぽいことまで言い出しました
再びとぼとぼと歩き始めるティガーの後ろから、通りかかったイーヨーが「やぁ ティガー」と声を掛けます「おい、なんでお前俺のことをティガーって呼ぶんだ?見ろよ 縞々が無いだろ」
「関係ないね 君はティガーだ 中身はね」
「なんだお前 体の中が見えるのか?」
「そうじゃないけど 君はずーっとティガーさ そうできてるんだ」
「ってことはじゃあ、何があってもティガーなのか?!」
もちろんだよ、と言われティガーは歓喜の声を上げます。
しっぽで飛び跳ね、イーヨーの周りをぐるぐる回ります
ティガーがジャンプしていると、突如、しっぽに一本の縞が浮かび上がります「おい見ろよ!縞々だ!縞だ!縞ができた!ウフフフーゥ!」
喜びの中、体に次々と縞が浮かび上がります
歩いていたプーとピグレットにティガーが飛び掛かって挨拶すると、
「あれ?やぁ ティガー」
ようやくプーの中でのティガーの条件を満たせたようです
「やっぱりティガーだ 縞々も元通りだ」
歩いていたラビットにも飛び掛かり、
これで見た目も中身もティガーだ!と自信を取り戻すティガー
さて、久しぶりに跳ね回るぞ!と跳ね回りますが、水たまりに着地したところで何かを思い出します。「おや、何か足りなくないかな」
泥を顔に塗り付け、「これぞティガーってもんだ!」と嬉しそうに跳ね去るティガー
感想その他
- 独自の思考でストーリーを転がす
プーさんたちの独自の価値観、勘違い・思い込みでストーリーを展開していく王道パターンですが、やりすぎると今回のようなぶっ飛んだ回になります。プー達がどこまで本気で発言しているのかが読み切れず、「でもやっぱりそろそろ「大・成・功~ 心配した?ティガー」とネタばらしの瞬間がくるんじゃないかなあ」と思って見ていましたが結局最後まで「縞々が無ければティガーに非ず」のスタンスは一切崩さないため、めでたしめでたし的なオチはつくものの、もやもやが残りました… それに比べたら縞々が戻った理由とかは些細なことです。 - 記号としてのキャラクター
トレードマークが無くなっただけで周りから自己の存在を否定される恐ろしい話ですが、ティガーとプーは同じことを長編作品「くまのプーさん完全保存版Ⅱ ピグレットムービー」でピグレットに対してやっているんですよね…
※100エーカーの森に引っ越してきたカンガの家に潜入したピグレットは、カンガにお風呂で洗われ、タオルで吹き上げられるとフカフカの球体のような毛並みになり、ティガーとプーの元に逃げ帰って来ると「見ろ、怖い生き物だ」
「僕ピグレットだよ」
「うっそだぁ~ 俺たちの知っているピグレットはこんなにフカフカじゃない
俺たちを騙そうったって無駄だ!」「君は誰?」
とまさに今回と同じ展開。
証拠を見せるよ と水たまりに飛び込み、毛並みがぺったりしていつものフォルムに戻ったピグレットを見ると「ピグレット どこから出てきたの?」
とようやく存在を認めます。
ピグレットの場合は毛並みを戻せば本人と判別可能だからまだなんとかなりますが、縞自体が無くなってしまったティガーは焦りますよね…
ただ、これってカンガが引っ越してきた時を思い出している昔話なので、時系列的には今回の話の前のような気がして… そうすると、プーはさておきピグレットはあの時のお返しだ! とか思ったんでしょうか - イーヨーは頼もしい
いつもみんなの馬鹿騒ぎの輪から三歩ぐらい引いて冷静にみているイーヨーですが、本来ならまとめ役のラビットの思考までバグってしまった今回に関してはまさに救世主で、迷い込んだ異世界やタイムスリップした過去で知り合いを見つけた時ぐらいの安心感がありますね。
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